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神奈川・日本の伝統文化 祭り特集 「第30回実朝まつり・源頼朝公800回忌特別事業」
伝統芸能
2017.11.20

神奈川・日本の伝統文化 祭り特集 「第30回実朝まつり・源頼朝公800回忌特別事業」

100年ぶりの源実朝の御霊を弔う式典が、第30回目を迎える実朝まつりとともに開催

−小田急線の全72駅にポスターが貼られるなど、お祭り開催に対する熱気を感じます。

 今年は第30回目でもあり、また、「実朝公没後800回忌」でもありますからね。とくに800回忌は特別です。源実朝公御首塚のあるこの地区で仏儀が行われたのは100年も前のこと。残念なことに、関東大震災により当時を偲ばせるものは鳥居跡を残すばかりで、今では、仏儀の詳細や人々がどのような気持ちで参拝していたのか知る由もありません。しかし、実朝公ゆかりの地・秦野東地区のお祭りの式典として、誰の心にも残るしっかりとしたものにしようと準備を進めています。

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−今回の準備には、かなりの期間を設けたとお聞きしました。

 2016年の6月からだから、およそ1年と半年だね。つまり、前回の実朝まつりを開催する以前からなんですよ(笑)。私は28回目から実行委員会委員長を務めていますが、今回は、期間はもちろん、関わる人の数も催事の規模も今までと異なっている。なので、当初は苦労しました。

 実朝まつりは東地区のみんなでつくりあげるお祭りなんです。だから、子どもからお年寄り、地域の各団体や有識者まで、地区のさまざまな人々が参加している。800回忌の特別事業もある今年は、お子さんでは幼稚園児、小学生、中学生に加えて、初の高校生のボランティアも。また、青年会や婦人会などの団体も多くて、全36団体。さらに準備・運用をバックアップする前自治会のメンバーが12名いて、その他に前自治会長の協力を頂きながら実朝ゆかりの金剛寺の住職さんや小学校の校長先生など催事を企画するメンバーも総勢35名を超えます。そのなかで、委員長として企画の提案や進捗管理、連絡事項の確認・共有等々を行っていくわけですから、それはもう大変で(笑)。

−委員長の任務の傍らで、催し物として予定されている紙芝居の原稿も、高橋さんが手がけられたとか。

 そうですね。実際は4名の方が持ち場を決め役割分担の中で作成しています。紙芝居って、観賞する分にはすぐ楽しめるものだけれど・・・、いざ作るとなると本当に難しいと感じております。

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 ストーリーは、「源実朝公御首(みしるし)塚」が東地区にあることから、実朝公の御首の行方を中心にしました。まず、史実を簡単に説明しますが、実朝公は27歳のとき、鶴岡八幡宮で甥の公暁(くぎょう)に暗殺される。公暁はその首を持ち去るわけですが、しかし、三浦義村の家臣・長尾定景により成敗される。そして、長尾定景と同じく三浦氏の家臣である武常晴が実朝の首を取り戻し、現在の御首塚がある場所に葬った、という内容。紙芝居は、「実朝公の御首のゆくえ」というタイトルで、『相模風土記』や『吾妻鏡』、『愚管抄』などを参考に、できる限り史実に沿いつつも、例えば実朝の人間性や母・北条政子の愛息を失った心情など、情緒的な話題も盛り込んでいます。この、史実に基づきながら、お子さんでも楽しめるストーリーづくりには、非常に骨を折りました。
 でも、監修を務めていただいた武常晴の子孫の方にも協力を頂きましたし、先日の初のお披露目では子どもたちにもよろこんでもらい、手応えを感じています。当日は、紙芝居に“欠かせない”水飴も配るので、ぜひたくさんの人に楽しんでもらいたいね。

ハイライトでは琵琶が実朝を語り、雅楽が歴史ロマンへと来場者を誘う

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−今回はメインイベントも、より充実させているそうですね。

 これは、なかなか体験できないものだと思いますよ。「篠笛・琵琶」と「雅楽」の演奏なんです。

 篠笛・琵琶は、篠笛では「青葉の笛」、琵琶では実朝公の「琵琶語り」を予定しています。とくに若い方などは、どちらの演奏も耳にしたことがない人も少なくないかもしれませんが・・・、その独特な音色や語りの調子は、世代を超えて日本人の心に響くものだと思いますね。

 また、雅楽では著名なグループを招聘します。秦野市に隣接する伊勢原市の比々多神社の「比々多雅楽会」で、演奏が実に素晴らしい。海外公演なども積極的に行っていて、世界中にファンを持つ雅楽グループとしても知られています。実は、メインイベントを何にしようか、いといろと考えあぐねていた時期がありました。そのときに、たまたまテレビで演奏が放映されていて、“これだっ”と直感したんです。800回忌特別事業としても、まさに相応しいイベントになるぞ、と。

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−より歴史ロマンを感じられるお祭りになりそうですね。そういえば、来場者に先着でオリジナル手ぬぐいのプレゼントもあるとか。

 ちょうど今日、制作の打ち合わせに行ってきて、最終段階ですね。こちらもよい出来になりそうです。実朝まつりのロゴタイトル、実朝公の坐像、実朝が詠んだ和歌などでデザインしています。また、当日は鎌倉市市長をはじめ、鎌倉にゆかりのある方々を来賓としてお招きするのですが、返礼品として、実朝のデザインを施した記念の枡をお配りし、升酒を楽しんでいただく予定もあります。

4メートルの大鍋で振舞われるけんちん汁と、たくさんの屋台が祭りに華を添える

−今回は、祭りの魅力のひとつ「食の楽しみ」にも、仕掛けがあるそうですね。

 「仙人鍋」という大鍋を使い、けんちん汁を無料で振舞うんですよ。鍋の直径はなんと4メートル。見せものとしてもかなりの大迫力でしょうね(笑)。一方、けんちん汁のレシピは伝統のレシピ。鎌倉にけんちん汁発祥のお寺といわれる「建長寺」がありますが、そこの伝統の作り方を教えていただきました。あと、仙人鍋には特徴があって、鍋の中を分割できるんですよ。だから今回は、けんちん汁のほか「お汁粉」や「オニオンスープ」も用意しています。お汁粉もよろこんでもらえるだろうし、オニオンスープ、これがまたよいんですよ。私の好みでもありますが、お酒のあとに飲むととても美味しい(笑)。

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 各自治会や各団体、住民が協力して行う模擬店についても、「ラーメン」や「そば」、「焼き鳥」、「とうもろこし」、「磯辺もち」「お饅頭」、また「野菜の直売」などもあり充実しているので、子どもからお年寄りまで、ぜひ存分に楽しんでもらいたいと思っています。

−最後に、実朝まつりへの意気込みをお願いします。

 私は、この東地区の自治会の会長も務めていますが、実朝まつりも「まちづくり」の一環として考えています。地区のより豊かな生活に寄与できることが実朝まつりである、と。だから、来場者の方に限らず、お祭りに関わるすべての人に“よかった”、“楽しかった”と感じてもらえるお祭りを目指したい。

 そして、800回忌という特別な年でもありますし、また今回が初となる催事もたくさん用意していますので、より多くの方々に足を運んでいただきたいですね。当日は稚児武者の格好をした子どもたちが、皆さんのご来場をお待ちしています。ぜひ、実朝の歴史と秦野・東田原の風土を肌に感じながら、実朝まつりをお楽しみください。

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