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美術・写真伝統芸能講座・ワークショップ

「神奈川西・日本の伝統文化」 祭り特集(小田原編)

「神奈川西・日本の伝統文化」 祭り特集(小田原編)

「北絛五代祭り」について

ーー今年で53回目を迎える「北絛五代祭り」はどんな祭りですか

 

毎年5月3日の祝日に、小田原城周辺で開催される小田原市最大の観光イベントです。馬出門(うまだしもん)土橋前から武者隊のパレードが始まり、北条軍団(初代早雲、二代氏綱、三代氏康、四代氏政、五代氏直)は馬に乗って登場します。そのほか鉄砲隊や吹奏楽部による演奏もあるなど、総勢1700人が参加する賑やかな祭りです。

ーー今年はどんな特徴がありますか

 

北条氏政役として俳優の高嶋政伸さんが登場します。高嶋さんは昨年のNHK大河ドラマ「真田丸」に氏政役で出演されていたので、注目が集まるはずです。さらに、初代早雲役には小田原ふるさと大使の俳優の合田雅史さんも登場します。

ーーそのほか、諏訪間さんがおすすめするお祭りの楽しみ方を教えてください

 この期間、松原・山王・大稲荷・居神神社をはじめとする神社では例大祭が行われ、4・5日は「みこし渡御(とぎょ)」を見ることができます。山車と神輿数十基が出ますが、特に、木遣りとともに神輿を担いで跳ぶ(走る)小田原流は他では見られない担ぎ方なので、是非、注目してください。ほかに、江戸前・どっこい流など、神輿を担ぐ際の異なる様式を一堂に観覧することができる「ちょうちん夏まつり」は7月29・30日にありますので、見比べてみると面白いと思います。

「リニューアル後の小田原城」について

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小田原城から見た相模湾

ーー小田原城はリニューアル後、間もなく入場者数が100万人を超えるそうですね。具体的にどこが以前と変わったのですか

 まず、いつ大きな地震が起きても大丈夫と自信を持って言える耐震性です。さらにこれまではなかった空調設備も加わり、快適で、安心、安全にご覧いただけるようになりました。さらに、展示内容が大きく変わりましたね。これまでは無かった映像シアターができるなど、グラフィックによる説明が大幅に増えたので小田原城や北条氏についての歴史を分かりやすく学べます。

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グラフィックによる説明が増えた小田原城内部(モニター)

ーー各階ごとに展示のジャンルが異なるのですね

 

 1階は江戸時代、2階は戦国時代、3・4階は企画展示、5階は江戸時代の小田原城天守を再現し、当時武士の守護神として信仰されてきた摩利支天像(まりしてんぞう)の安置空間を再現しています。最上階の天守閣展望デッキからは海、山、そして街並みがきれいに見えます。こんなに眺めがいいお城も日本で珍しいのではないでしょうか。

ーー特に時間を掛けて見て欲しい場所を挙げるならどこでしょうか

 戦国時代の小田原城と小田原北条氏の歴史が学べる2階でしょう。北条氏政・氏直親子が豊臣秀吉と戦った小田原合戦は、中世から近世へとわが国の歴史が大きく転換した歴史的な出来事です。小田原城は戦国最大の城、秀吉の石垣山一夜城は関東で最初の総石垣の城の対決でもありました。シアターでは俳優の苅谷俊介さんと合田雅吏さんが四代氏政と五代氏直を演じ、豊臣秀吉との小田原合戦について、分かりやすく解説しています。また、5階には、江戸時代に天守にまつられていたとされる摩利支天像の安置空間を小田原の木材と小田原の職人の手で再現されたものです。ここでも、映像で職人の技を紹介していますのでご覧いただきたいですね。

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摩利支天像の安置空間

小田原城を「もっと」楽しむ

ーー現在開催中の特別展「小田原城址の150年 モダン・オダワラ・キャッスル1868-2017」はどのような内容ですか

 1870年の天守解体から1960年の天守閣復興まで、小田原城は天守閣がない城でした。その、明治時代から現在までに至る小田原城址のおよそ150年の歩みを当時の写真、絵葉書、観光パンフレットなどを使って100点程度展示をしながら紹介しています。

ーーほかに、小田原城に来たならぜひ立ち寄って欲しいおすすめスポットを教えてください

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「わたしの城下町」を真似て

 歌手小柳ルミ子さんの「わたしの城下町」のデビューシングルであるレコードジャケットには小田原城常盤木(ときわぎ)橋の欄干が使われています。ここで同じポーズを撮って楽しんでみるのはいかがでしょう。おすすめのフォトスポットです。
 さらに、いずれも小田原城から歩いてすぐの報徳二宮神社の境内にある「きんじろうカフェ」や三の丸外郭土塁にある清閑亭(せいかんてい)は、それぞれ素敵な空間で散策やお茶を飲んで休憩するのに最適です。ぜひ行っていただきたいですね。

マグカル編集部より
 リニューアル後、一層白くなった小田原城の外壁に城址公園内の新緑がきれいに映えて見えました。外国人観光客が日本人に混じりじっと展示物を眺めている姿も何度か見掛け、歴史や文化への関心の高さを感じました。 同園内は豆汽車や豆自動車などの遊具がある「こども遊園地」も併設されていて、小さなお子さんも喜びそうです。
ゴールデンウィークは祭りとともに、ぜひ小田原城周辺でぶらり街歩きをして楽しんでみてはいかがでしょうか。

第53回小田原北條五代祭り
平成29年5月3日(水・祝) ※小雨決行
中止の確認は、当日午前7時30分から
小田原市観光協会 0465-22-5002(テープ)
小田原市観光協会ホームページ(外部サイト)
http://www.odawara-kankou.com/

特別展「小田原城址の150年 モダン・オダワラ・キャッスル1868-2017」
会期 平成29年~5月28日(日)*会期中無休
開場時間 午前9時00分~午後5時00分(最終入場は午後4時30分まで)
会場 小田原城天守閣 4階企画展示室4
入場料 一般500円(400円)、小・中学生200円(160円)
*( )内は30名以上の団体料金
*未就学児、障がい者手帳(原本)をご提示の方と介助者1名は無料

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