ミュージカル、演劇、ダンスなど盛りだくさん! 劇場で別世界を味わおう
劇団四季『オペラ座の怪人』が横浜にやってくる!
ミュージカル「オペラ座の怪人」といえば……そう、劇団四季。すぐにその名を思い出すほど定着していますが、「いつか実際に観てみたいと思っているけど、劇場に行くのは少し遠くて…」と躊躇している人も多いのではないでしょうか。そんな方にグッドニュース! 3月からKAAT神奈川芸術劇場<ホール>で、あの「オペラ座の怪人」が、上演されます!
『オペラ座の怪人』とは……?
撮影:荒井健 (前回公演より)
19世紀中頃のパリのオペラ座。オペラ「ハンニバル」の舞台稽古中、突然背景の幕が落下する。”オペラ座の怪人”の仕業だと騒がれたその事件を皮切りに、次々と起こる怪現象。オペラ座に住む”怪人”と歌姫クリスティーヌの運命はーーーー?
『オペラ座の怪人』は、フランスの人気作家・ガストン・ルルー(当時は、あのアルセーヌ・ルパンの作者/モーリス・ルブランと人気を二分していたそうですよ!)が書いた小説をもとにした、この上なく切ない愛の物語。1986年にロンドンで始まって以来、世界35カ国164都市で上演され、累計観客動員数は1億4,000万人を突破。日頃ミュージカルには馴染みがなくても、『オペラ座の怪人』だけは知っている……という人も少なくないでしょう。
国内総公演回数は『ライオンキング』『キャッツ』に次ぐ第3位!
世界中で上演されている『「オペラ座の怪人』ですが、劇団四季による日本初演は、なんとブロードウェイ初演と同じ1988年。イギリス、アメリカに次ぐ世界で3番目の上演国として歴史に名が残っています。総公演回数は『ライオンキング』『キャッツ』に次いで国内第3位(2016年9月30日時点)。まさに国内屈指のミュージカルです。
撮影:上原タカシ(前回公演より)
舞台上に現れるのは、忠実に再現された”パリ・オペラ座”。舞台を額縁のように囲む、精巧に作られたプロセニアム・アーチや、頭上に高く浮かび上がる荘厳なシャンデリアは必見です! 重厚感あふれるパリのオペラ座の雰囲気をこの横浜で味わえるというのは、なんと贅沢なのでしょう!
豪華絢爛な衣裳や舞台装置、俳優たちの圧倒的な歌唱力、それを支える荘厳な音楽……などなど、魅力が尽きない舞台は、絶対に観ておかなければ!!という気にさせられます。
さまざまな見どころがつまった感動のステージは、あなたを一気に非日常の世界へ引き込んでしまうに違いありません。
横浜エリアでの長期公演は4年ぶり!
劇団四季の横浜での長期公演は、前回の『キャッツ』以来、約4年ぶり。覚えている人も多いと思いますが、2009年11月〜2012年11月までの3年間、みなとみらい21地区の新高島駅付近に「キャッツシアター」がありましたよね。キャッツシアターは3年の間に横浜の景色に馴染み、公演が終わって劇場が取り壊された時はとても寂しく感じたものです。
そんな横浜での長期公演。劇団四季さんは再度横浜でのロングラン公演を実現するべく、ずっと検討されていたそうです。今回は、8月までの5ヶ月間の公演。KAAT神奈川芸術劇場<ホール>をたっぷり使って壮大なドラマが楽しめます。
ゴージャスな舞台装置と俳優さんたちの迫力ある演技、そして胸に響く音楽が、あなたの心を熱く揺さぶってくれるでしょう。
日時:2017年3月25日 (土)〜8月13日(日)
会場:KAAT 神奈川芸術劇場<ホール>
ちょっと一息 中華街で唯一(たぶん)のブックカフェ・関帝堂書店
賑やかな中華街の喧騒から逃れて、静かに本を読みながらコーヒーや中国茶などを楽しめる穴場カフェです。お店の中には、西遊記や三国志、カンフーなどから中国の歴史や占い、さらにパンダ関係(?)の本がずらり。日本でおなじみのコミックの中国語版などもあるので、語学の勉強もできるかも!? 中華街らしいカラフルでキッチュなインテリアも見ものです。喫煙可能な屋外テラス席もあり。
ジャスミン茶やライチ茶などの中国茶にはお代わり用のお湯とお茶請けのお菓子と、ニヤリと笑ったパンダゼリー付き。
「最初はただ可愛かったパンダも、最近では描き慣れてきて、複雑な表情になってきました(笑)」とは、店長談。
その他、ビールやパウンドケーキなどもあります。ビルの3階という立地だからか、比較的のんびり過ごせる隠れ家カフェです。店頭では古本や雑貨の販売も。
木曜・土曜の押花アート教室のほか、絵本読み聞かせ、紙芝居のイベント、ぬりえカフェや写本カフェなども企画中。北京オペラとも呼ばれる京劇の蔵書や「オペラ座の怪人」と同じ時代の19世紀の中国が舞台の書籍も揃っています。
19世紀パリが舞台の『オペラ座の怪人』鑑賞のあと中華レトロなお店でまったりすれば、横浜の異国情緒を満喫できる一日となるかもしれませんね。
住所:横浜市中区山下町166 横濱バザール3階
営業時間:土日祝 11:00〜19:30、平日:不定
定休日:水曜日
身体表現の豊かさに酔う〜横浜ダンスコレクション
©Damien Jalet|Kohei Nawa, VESSEL_2016_ROHM theater_Photo by Yoshikazu Inoue
「横浜ダンスコレクション」とは
若手振付家の発掘・育成とコンテンポラリーダンスの普及を目指して1996年にスタートしたダンスフェスティバルで、数ある横浜の文化プログラムの中でも歴史のあるもの。今年は22回目となります。中でもこのフェスティバルの中心的なプログラムであるコンペティションは、「振付」の独自性が重視されています。
体を揺らし喜びや悲しみを表現することは、私たちは誰に教わることなく赤ちゃんの頃から自然に行っています。言葉や絵、音楽など「表現」の方法は世の中に限りなくありますが、ダンスは特に「表現方法の始まり」とも言えるのではないでしょうか。そんな誰もが持つ「身体」を使った表現方法を、時代性や美意識、感情やその人が持つ価値観などを皆が鑑賞できる作品にまで昇華して、伸びやかに伝える「振付」。そしてそれを支えるダンサーの確かな技術を見ていると、「身体表現のその先にある喜び」が湧いてくるようです。
とにもかくにも、リアルで見て、心で感じてほしいステージです。
22回目の今年は、横浜美術館と連携したアートプログラムが
さて、歴史のある横浜ダンスコレクションですが、今年は横浜美術館と連携したプログラムを開催。昨年12月14日まで開催していた横浜美術館の企画展「BODY/PLAY/POLITICS」は、まさに「身体」をキーワードにした現代アートのグループ展でした。ある1人の人間の身体、集団としての行動、霊的な「身体」が生み出す表現を多角的に示した、この横浜美術館での展覧会とテーマを同じにして、ダンスでの「身体」が生み出す表現について深く掘り下げます。
世界に先駆け新作上演! 多田淳之介 『Choreograph』
『RE/PLAY(DANCE Edit.)』 © 鈴木竜一朗
注目したいのは、コンペティションの審査員でもある、多田淳之介(東京デスロック主宰・富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ芸術監督)の演出による新作『Choreograph』。この横浜ダンスコレクションでの公演が世界初演となります。
「まずは、ダンスにおける「振付け」について考えてみる。振付ける、振付けられる、振付けた、振付けられた、ダンス。生む身体と受け入れる身体。そして「振付け」と「演出」。それから、私たちの社会における「振付け」について考えてみる。現代、そしてそこに続いている歴史、横浜の歴史も参照し、特に西洋と日本の関係とこれからを考える。」
(公式サイトより)
出演者には、横浜ダンスコレクション2016 コンペティションIにて受賞した振付家・ダンサーであり、美術家としても活躍するAokid、同じく受賞振付家で東京デスロックのメンバーである伊東歌織をはじめ、ブレイクダンス界に強烈な影響を与えた「BRONX」のメンバーとして活躍した群青、ストリートダンスの枠にとらわれない創作的なオリジナリティダンスを競う世界大会(フランス)「Juste Debout Experimental(2016年)」で優勝する実力を持ち、横浜ダンスコレクション2016オープニング『無・音・花』や2017年『VESSEL yokohama』に出演するなど多岐に活躍する戸沢直子が名を連ねる。
(公式サイトより)
そして、演出家である多田淳之介も出演!
「演劇のようなダンス、ダンスのような演劇」をつくる演出家として知られ、既存の演劇の枠を超え新たな可能性を広げながら新しい舞台表現を生み出してきた多田淳之介。他に類を見ない独自性を持った演出が国内外で高い評価を集めています。近年ではシンガポールやカンボジアなど東南アジアでの創作を続けてきた彼の、広い視野を持った歴史観を確かめに、足を運んでみては。
演出:多田淳之介
音楽:大谷能生
出演:Aokid、伊東歌織、群青、戸沢直子、多田淳之介
日時:2017年2月16日(木)19:30〜、17日(金)19:30〜、18日(土)16:00〜、19日(日)16:00〜
「自分は一体何者なのか!」若き俳優たちのハムレット、始動!
JR川崎駅すぐ近くの商業施設・ラゾーナ川崎。そのウェスト館5階にある「プラザソル」は、入りやすく親しみやすい多目的ホール。コンサートや演劇、寄席など若手の音楽家や演者のさまざまな公演を開催しています。今回は、フレッシュな若手俳優や新国立劇場演劇研修生をメインキャストに迎え、熱い舞台を繰り広げます。
2015年公演「マクベス」
若手俳優の舞台は、公演の間にも成長していく様を見ることができるのが楽しみのひとつ。昨年度の公演で行われた「マクベス」では、限られた条件の中、空間と肉体を最大限に活かし、力強く斬新な「マクベス」を披露し、大好評を得ました。
観客も回を追うごとにどんどん増えていき、最終日には会場へ入れないほどの人気公演となったそうです。
今回の「ハムレット」は、「マクベス」と同じくシェイクスピアの名作で、ルネサンス演劇を代表するシェイクスピアの人間観察眼が光る名作中の名作です。
「自分は一体何者なのか!」 主人公が生きる道を悩み、壊れ行く世界の中で己の姿を悩み、狂気へと向かう姿を、新進気鋭の若き役者が情熱とスピード感を持って演じ切ります。鋭気がほとばしる舞台で、役者の熱意を肌で感じてみて。
日時: 2017年1月25日 (水)〜2月1日(水)
場所:ラゾーナ川崎プラザソル http://www.plazasol.jp/index.html
川崎市幸区堀川町72-1ラゾーナ川崎プラザ5F ※JR川崎駅から徒歩約5分
国内唯一の舞台芸術プラットフォーム
「TPAM-国際舞台芸術ミーティングin横浜2017」が開催!
Courtesy of Kick the Machine Films_feverroom
TPAMとは
「公演プログラム」「舞台関係者の交流プログラム」「公募プログラム」の3つのプログラムで開催される、国内唯一の国際的舞台芸術プラットフォームです。昨年開催された際の参加人数は、世界40カ国・地域から292名、日本からは424名にものぼり、世界でも有数の舞台芸術イベントとなっています。基本的にはプロフェッショナルが参加していますが、ほとんどのプログラムで一般参加も可能。リーズナブルな入場料で鑑賞することができ、前回の入場者は述べ18,773名にもなりました。
アジアと世界の舞台芸術を体感することができる公演プログラム
公演プログラムにはアジアと世界の舞台芸術の最新動向を体現する13作品/プロジェクトが並んでいます。
例えば「アピチャッポン・ウィーラセタクン『フィーバー・ルーム』」は、このTPAMが日本初演!
カンヌ国際映画祭のパルムドール賞をはじめとした数々の映画賞を受賞し、国際的にも大活躍のアピチャッポン・ウィーラセタクン(タイ)。タイの天才映画作家&美術家として、昨年は「ブンミおじさんの森」など、日本でもたくさんの上映や展示が行われ、その魅力にとりつかれた日本の映画・舞台芸術関係者から熱い眼差しを送られていました。
『フィーバー・ルーム』は、そのアピチャッポンが初めて取り組んだ舞台作品。映画と演劇の枠組みを超える全く新しい劇場体験として、世界各地のフェスティバルで高い評価を受けた作品が、日本で初めて上演されます!
交流プログラムや公募プログラムも鑑賞可能
国内外の舞台芸術プロフェッショナルの情報交換とネットワーキングのための「交流プログラム」は、商談や交渉などの一部を除くシンポジウムやトークセッションなどは、一般のお客さまも参加可能だそう。また、新人アーティストが国際的な評価を得るチャンスでもある公募プログラム「TPAMフリンジ」も鑑賞可能です。舞台ファンが新しい才能や作品を発見するチャンスとしても、毎年大好評です。
その他にも、期間内はさまざまな上演やイベントが盛りだくさん!
そこで、おすすめパフォーマンスをTPAM運営事務局に伺いました。
エコ・スプリヤント(インドネシア)振り付けによるダンス作品『BALABALA』(https://www.tpam.or.jp/2017/?program=balabala)はTPAM が参画する3本目のアジア国際共同製作。
振付家/ダンサーとしてマドンナのショーをはじめとするメインストリームの仕事をこなしてきたエコ・スプリヤントが、東インドネシアの離島ジャイロロの伝統舞踊を地元の若い女性ダンサー5人とともに現代の視点で再解釈。ジェンダーと文化の壁を超える瑞々しいパフォーマンスです。18歳以下は無料でご鑑賞いただけます!
(TPAM広報 雨宮さん)
国内外の舞台芸術関係者が一同に会すTPAMでは、このほかにも日本初上演・世界初演の舞台や、現在注目されているアーティストが名を連ねます。ぜひチェックしてみてくださいね。
日時:2017年2月11日(土)〜19日(日)
会場:KAAT神奈川芸術劇場、横浜美術館、横浜赤レンガ倉庫1号館、BankART Studio NYK、YCCヨコハマ創造都市センター、象の鼻テラス、Amazon Clubほか、横浜・東京の複数会場