<和の魅力を再発見!>伝統芸能を見に行こう(前編)
秋のオススメ伝統芸能 1
【 9/19 】
新しい日本の美~カナガワ リ・古典 2016 in 小田原
空高くそびえる小田原城を背景に繰り広げられる伝統芸の数々
神奈川県にゆかりのある伝統芸能を新しい発想で活用し、現代を生きる文化芸術として再(Re・リ)発信する「カナガワ リ・古典プロジェクト」。神奈川県の古典的な伝統芸能を今に伝え、魅力や価値を再発見して将来へ継承していく取り組みです。第4回目となる今年は、神奈川県が誇る城下町、小田原市で行われます。
会場は、歴史ファンの間で「難攻不落・無敵の城」として有名な小田原城(「小田原城址公園本丸広場 特設ステージ」)。「日本の100名城にも選定されているこの小田原城は、平成の大改修を終え2016年5月にリニューアルオープンしたばかり。真っ白な天守閣がそびえる小田原城をバックに、薪能や落語に加え、小田原囃子、箱根の湯立獅子舞など、地域の伝統芸能が繰り広げられます。
歴史が生み出す迫力と新しい風を感じるステージ
当日は2部構成で、J-waveの人気DJとしてもおなじみ、ロバート・ハリスさんのナビゲートによって進行していきます。
第1部は(開場:12:30〜/開演:13:00〜)は入場無料。
※雨天時は中止となる場合があります。
・遠州飯田山名神社祇園祭の芸能(国指定重要無形民俗文化財)、地元小田原出身・柳家三三氏の落語、小田原囃子(小田原市 伝統芸能県指定無形民俗文化財)、寺山神社の鹿島踊(小田原市 県指定無形民俗文化財)、箱根の湯立獅子舞(箱根町 国選択・県指定無形民俗文化財)、外郎売口上研究会……など、神奈川県ゆかりの伝統芸能を一堂に会して披露。
数百年ものあいだ脈々と受け継がれてきた「型」の生み出す迫力や、そこに吹き込まれる時代の新風を、青空の下で堪能できます。
第2部は(開場18:00〜/開演18:30〜)は限定1,000席の有料(前売券 3,000円 当日券 3,500円)。
※雨天時は小田原市民会館ホール。
巻上公一/演奏FOOD with Arzhan Suu、宝生流 薪能(狂言「文蔵」(山本東次郎、山本則秀)、能「夜討曽我」(シテ/宝生和英、十郎/辰巳満次郎))という豪華メンバーによる本格的な舞台。
夕暮れから夜へと表情を変える空のグラデーションと小田原城を背景としたステージは、幻想的かつ存在感にあふれた、他では見られない公演となるのではないでしょうか。伝統芸能といえども既存の概念に縛られず、ぜひ見る人が自分の感性で感じ取ってもらいたい舞台です。
出演者からのメッセージ
第2部出演:巻上公一さんより
「日本には、自分たちとは異なる文化を受け入れ、それを吸収して自らの伝統としてきた歴史があります。そう考えると、常に新しい挑戦をしていくこと、それ自体が伝統芸能と言えるのではないでしょうか。せっかくの「Re(リ)」(再発信)というプロジェクトですから、我々も新しい伝統を作るべく、「小田原鋳物風鈴」を使った今までにない試みをします。いい風が吹くことを祈っていてください(笑)」
巻上公一:神奈川県立小田原高等学校卒。日本を代表するヴォーカリスト、プロデューサー。バンド「ヒカシューのリーダーとしての活動の他、声の音響やテルミン、口琴を使ったソロワークやコラボレーションを精力的に行っている。
巻上公一と佐藤正治のデュオ「Arzhan Suu(アルジャンスー)」と、エレクトロニクスを巧みに使った即興ジャズの名手・イギリスのサックス奏者イアン・バラミーとノルウェーのドラム奏者トーマス・ストレーネンによるデュオ「FOOD」によるカルテットの名は「いにしえと未来」。
日本、そして世界で最先端の音楽に挑戦しているそれぞれの奏者の演奏とともに、小田原名物の「風鈴」を使ったパフォーマンス。楽器から流れ出す音楽と自然の風が生み出す音色とのコラボレーションは、「いにしえと未来」そのもの。いったいどんな演奏になるのでしょうか。常に新しいチャレンジを続ける巻上さんも初めてだという「風鈴との共演」を含めたステージの数々。アートのインスタレーションのように、それを聴く観客も一緒に、新しい体験を楽しめるステージとなりそうです。
■日時:平成28年9月19日(月・祝)
第一部/開場12:30、開演13:00
第二部/開場18:00、開演18:30(終演21:00予定)
■会場:小田原城址公園本丸広場(雨天時:第2部のみ小田原市民会館ホール)
■料金:第一部/入場無料(事前申込不要)。混雑時には入場制限をすることがあります。
第二部/有料(前売券3,000円、当日券3,500円)全席自由、限定1,000席。
■チケット:e+(イープラス)→http://eplus.jp
ちょっと寄り道 うつわ菜の花
小田原にあるギャラリー「うつわ菜の花」。「月のうさぎ」などでも有名な、明治から続く和菓子屋さん「和菓子 菜の花」が手がけた、陶器や磁器、漆などのうつわが並ぶギャラリーです。店内には、オーナーの確かな目で選ばれた、個性とぬくもりを感じさせる作家作品のうつわがずらり。日々の暮らしがぐんと心地よくなる、大好きなうつわにきっと巡り会えるお店です。
9月の展示は、細川護光展(ゲスト:岸野承/彫刻)。細川護光さんの、素朴な姿の中にホッとするような暖かみのあるやきものが並びます。
展示期間:9月17日(土)〜9月25日(日) ※9/21〈水〉定休日
住所:〒250-0013 小田原市南町1-3-12
TEL : 0465-24-7020
営業時間:11:00〜18:00
※企画開催時のみ営業 ※10月以降の展示はサイトにて。
秋のオススメ伝統芸能 2
【 毎月1〜7日 】暮らしに笑いを!
初心者から通の人まで楽しめる「横浜にぎわい寄席」
初心者でもふらりと入って「笑い」を楽しめる
横浜の飲み歩きエリアとして注目をあびる野毛。飲食店が並び、横浜の夜を盛り上げる飲み屋街に位置しているのが「横浜にぎわい座」です。落語を中心に漫才や奇術・曲芸などの大衆芸能の専門館として、すっかりおなじみとなりました。昔ながらの芸を気楽に味わえる演芸場は、活気溢れるこの街の雰囲気にもぴったりです。
初心者でもふらりと入れていろいろな笑いが楽しめる一方で、「落語家にとって寄席は道場。芸を磨く場所であり、毎日が真剣勝負です」と語るのは、館長でもある桂歌丸師匠。お客さんの反応が芸を磨き、磨かれた芸を見てお客さんが楽しむ。寄席は、落語家が芸に託した思いを、お客さんがしっかりと受け止める場所なのです。
1〜7日は気軽に寄席を!「横浜にぎわい寄席」
そんなにぎわい座で人気が高いのは、「横浜にぎわい寄席」。落語芸術協会と落語協会の合同公演として、毎月1日〜7日の間に開かれます。ふたつの協会に所属する芸人が同じ舞台に日替わりで登場するのは、横浜にぎわい座独自の形式。県民は体験しないともったいないというものです。
落語の合間に漫才や奇術などもあるので、初心者でもしっかり楽しめます。もちろん演目が終わったあとにちょっと一杯ひっかけるのを楽しみに出向くのもまた一興。生活に根付いた笑いを求めて、お散歩がてら野毛に繰り出してみませんか。
■日時:毎月1〜7日。各日14:00開演(13:30開場)
■会場:横浜にぎわい座 芸能ホール
■料金:自由席 一般:2,800円、シニア(65歳以上):2,700円、学生(高校生以上):1,500円、こども(中学生以下):1,000円
※障がい者手帳をお持ちの方(同伴の方1名様まで同料金):1,500円
※仲入り後割引サービス:当日仲入り(休憩/15:15頃)後から、2,000円で入場可能。
■チケット:横浜にぎわい座(チケット専用045-231-2515)
後編へ続きます<和の魅力を再発見!>伝統芸能を見に行こう(後編)