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美術・写真

スマートイルミネーション横浜2017

スマートイルミネーション横浜2017

あなたもクイーンになれる!?「カオハメ・ザ・ワールド」

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オープニングイベントでは、穴に顔をはめると高さ51メートルの横浜税関に映し出される「カオハメ・ザ・ワールド」に、横浜市在住小学2年生の女の子が挑戦しました。横浜税関はイスラム寺院を彷彿させる5階建ての建物で、「クイーンの塔」の愛称で親しまれています。

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「こんばんは~!私、クイーンになったの?すごく面白い」と、女の子は目をぱちぱちさせたり、ぐるりと回したりしながら元気よく笑顔で楽しんでいる様子でした。

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中国上海にも同作品が設置されているとのことで、リアルタイムで「你好(こんにちは)!」と上海にいる子供たちの笑顔が横浜税関に投影されました。

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髙橋匡太さんによる「カオハメ・ザ・ワールド」

髙橋さん:「誰もが参加できて、楽しめる顔はめ看板が好きです。横浜と海外をリアルタイムに結び、笑顔でユニークな国際交流を目指しています。2020年に東京オリンピックなども開催され国際的な対話や交流という重要性が高まってきていると思いますが、ここには笑顔を出す穴が開いています。この作品から、笑顔を世界に発信し、新しいコミュニケーションを提案していきたいです」
なお、この作品の電源供給は横浜市の公用車でもあるトヨタ自動車の水素で走る燃料電池車「MIRAI(ミライ)」によるものです。

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森 貴之さんによる「UVLS」

紫外線に反応して光る糸をポリゴン(多角形)化した石膏像の様な、ギリシャ神話の彫刻たちをベースにした作品。一見するとデジタルで作られたように見えますが、実は手作業で虫ピンを用いて沢山三角形の面を作り、ピンとピンの間を糸が走っています。
森さん:「パソコンなど二次元のデジタルな世界を、三次元の空間に持ってくることが出来ないかと考え、デジタルの様なんだけれど、実際はアナログという、現実と想像の間というか、曖昧な空間を感じていただきたいと思いこの作品を作りました」

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木村 崇人さんによる「夜空のこたつ」

こたつのテーブルには道路で見かけるカーブミラーが使われ、中には湯たんぽが入っているので座ると暖かい作品です。
木村さん:「座ると360度横浜の風景が見られ、空に飛行機が飛べば飛行機が見えます。このこたつは、入っても物を置けたり、食べたりすることができないテーブルです。そうなると、人は何か物足りなく感じて、おそらく相席した人と会話をし始めるでしょう。普段立って眺めている横浜の風景を、目線を変えて座って暖まりながら、出会った人と話す場をつくる作品です。こたつカバーについている模様は、植物などを置いて太陽の光で感光した日光写真によるものです。光を使っていない作品なのですが、このカバーには太陽の光が閉じこめられているというようなものになっています。」

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川辺 ナホさんによる「ミュージカル・チェアーズ」

ドイツハンブルクに制作拠点を置く川辺さんは、象の鼻パークにちなんだ作品に取り組みたいと、まさにこの港で開港の時代に西洋の椅子が船大工さんたちによって作られ全国に普及していったことに着目しました。
川辺さん:「作品名ミュージカル・チェアーズとは椅子取りゲームのことです。古代エジプトの時代から椅子は使われていました。これまで人類が作ってきた椅子の歴史を、カラフルな椅子を吊るすことによってそれらの片鱗を感じていただきたいです」

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市川 平さんによる「マジカルミキサープロジェクト」

市川さんは学生時代から移動式プラネタリウムのミキサー車を手掛けていて、こちらは30年前くらいに作った作品をバージョンアップさせたもの。公道走行も可能なプラネタリウム投影装置を乗せたミキサー車です。
市川さん:「通常プラネタリウムというとドームの中に閉じ込められて鑑賞するものですが、ドームから飛び出して、車が行ける所ならどこでもプラネタリウム投影をすることができます。近くのビルなどに映る、この場所でしか見られない光のアートを見てもらいたいです」

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リリアン・ブルジェアさんによる「ON/OFF」

フランスからやってきた、生活に馴染みがあるものを巨大化する作品作りをしているリリアン・ブルジェアさんによるもの。実際にこの巨大な電球は点いたり消したりもできるそうです。
なお、電力供給はプラグインハイブリッド車の「プリウスPHV」によるものです。

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ハイメ・イバネス&ヨルント・デュイクスさんによる「the primitive projector」

オランダからやってきた光と影を扱いながら一人が音を奏で、もう一人が手動でアニメーションを投影するというプロジェクト。ハイメ・イバネスさんがスクリーンを操り、ヨルント・デュイクスさんが演奏し楽しい物語を紡ぎます。

スマートイルミネーション横浜2017 アートディレクター 岡田勉さんに見所をお聞きしました!

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―今年7回目の開催になりますが、今年の見どころを教えてください。

分かりやすいのは世界最大の顔はめ体験ができる髙橋匡太さんの「カオハメ・ザ・ワールド」でしょう。横浜のイベントですけれども、中国上海とリアルタイムに繋がることもできるし、世界規模に楽しめる作品と言ってもいいんじゃないかな。今年はウクライナ、スイス、オランダ、オーストリア、フランスという海外作家5組を招致して、さまざまな作品を皆さんにお楽しみいただけます。彼らの考える未来の在り方、光の在り方、暮らし方、コミュニケーションの形はどうあるべきかとか、鑑賞しながらみなさんと一緒に考えることが出来たらと思っています。

―これからどんな世界観を目指して行っていきたいか展望があれば教えてください。

11月2日には横浜市開港記念会館でスペインと台湾からゲストを招聘し、「都市におけるアートの作用」をテーマに国際シンポジウムを開催しました。グローバルな目線で省エネ技術を駆使しつつ、アーティストの創造性を活用しながら街に与える影響について取り組んでいきたいと思っています。ワールドワイドにこういう考え方が広まっていって、地球温暖化の速度が遅くなっていけば素晴らしいと思いますね。

マグカル編集部より
今回ご紹介した内容は11月1~5日までの「コアフェスティバル」の内容でしたが、5日以降、スマートイルミネーション横浜2017は横浜市内各所で年末まで続きます。
会期 2017年11月1日(水)~12月31日(日)
 ※プログラムにより開催期間が異なりますのでホームページなどでご確認ください。
会場 横浜市内全域
イルミネーションやクリスマスをテーマにしたアートプロジェクト、神奈川県庁本庁舎におけるライトアップなどが開催されますので、皆さん暖かな格好をしてお出かけください。

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