Ryu Mihoの『Woman in Jazz♡』第4回 鎌倉「tsuu」 『ただいま!おいしいご飯とやさしい音楽が迎えるお店』
Ryu: お店がとても素敵な佇まいですね。中へ入ると落ち着いた雰囲気です。元々は蔵だと聞いたのですが。
多鶴子さん: 明治30年くらいの米蔵で、もう120年くらいになります。10年くらいかけて建てた米蔵でリノベーションをして、お店にしました。
Ryu:米蔵をお店にしようとされたのは、どんな経緯だったのですか。
多鶴子さん: 元々カフェをやりたくて、それこそジャズが流れるカフェがやりたかったんです。お店では選曲して音楽を流しているので、昼間はクラシックをかけて落ち着いた雰囲気にしたり、17時くらいからはジャズを流しています。
Ryu: 昼と夜、お店の雰囲気も変わって良いですね。お店の名前、‘tsuu’はどんな意味で命名されたのでしょうか。
多鶴子さん: tsuuは戯曲「夕鶴」から取ったものです。
Ryu: それは多鶴子さんが好きな舞台なのですか。
多鶴子さん: そうですね、好きな舞台ですし、学生時代に演劇をやっていました。その時に出演してから、それが今も気持ちが続いているような感じです。出演者が少ない作品なのですが、夕鶴の鶴を演じたり、お婆さんの役もやりましたし、色々やりました。
Ryu: 私はtsuuの意味は通の意味だと思っていました。
多鶴子さん: それもかけてます。今、どうしてと聞かれると色んな通に通じていて「鎌倉通」など通の方が集まるといいなと思っています。最初は平仮名にしていたのですが、息子である祐二さんにも相談したら’tsuu’にしたら?とアドバイスをもらったので’tsuu’になりました。
Ryu: 祐二さんは他のお仕事もされているので、お忙しいと思いますが、お店に立たれることはありますか。
祐二さん: 今はたまにお店にいます。最初のオープニングの時は、ずっと手伝っていました。珈琲や食事も作っていました。
Ryu: そうなのですね。tsuuのオープンいつされましたか。
多鶴子さん・祐二さん: 来年の4月で9年目になるので、2008年にオープンしました。
Ryu: もうすぐで10周年になるのですね、おめでとうございます!
多鶴子さん: ありがとうございます。3年ずつで色々思う事があります。最初3年目の更新が来ると身体が厳しいかなと思うのですが、また3年経ってえっもう3年なのって思ったり。それでまた3年あっという間にきちゃう感じで9年になりました。
Ryu: やはり日々お客様やお料理のことを考えているとあっという間に過ぎてしまうのでしょうか。
多鶴子さん: そうですね。お客様の事を考えて買い物をして、仕込みをして、お料理を作ってお客様へお出しするという感じなので1日1日が短いです。
Ryu: なるほど。私はtsuuさんへ来るとスペアリブが食べたいっ!という気持ちになるのですが、他のお客様もスペアリブやカレーが食べたい!と言って来られる方が多いのではないかなと思うのですが。
多鶴子さん: そうですね、スペアリブのオーダーは多いですね。仕入れが葉山なので大変ですが、質が良く美味しいものを皆さんに食べて頂きたいので、どこでも行っちゃいますね!笑
Ryu: 素晴らしいです!因みにスペアリブは1日限定何本なのでしょうか。
多鶴子さん: スペアリブは1日20本くらいが限定です。それ以上の場合はご予約でオーダーを受け付けています。うちのスペアリブはお箸で食べられるくらい柔らかくって90歳の男性のお客様が必ず週に1回お昼にワインと一緒に頂いています。ご年配の方にも気に入って頂いています。
Ryu: 以前、秋田料理も頂いたことがあるのですが、現在もメニューにはありますか。
祐二さん: だまこもち、きりたんぽ鍋ですね。
Ryu: 秋田料理はいつ頃お出しされるのですか。
祐二さん: 冬場にお出ししています。
Ryu: 多鶴子さん、祐二さんお二人は秋田のご出身なんですか。
多鶴子さん 祐二さん: はい、そうです。
Ryu: 秋田料理が食べられるということでご来店されるお客様もいらっしゃるのではないでしょうか。
多鶴子さん: はい、いらっしゃいます。実は秋田ご出身のお客様も多いんです。偶然に入って来られるのですが、秋田ご出身の方がいらっしゃることが多いです。
だまこもち鍋、きりたんぽ、ご家族の皆さんへおすすめしたいお料理です。
祐二さん: だまこはご飯をだまにしたようなお団子で、きりたんぽの出しは同じなのですが、お店で手作りで作っています。外食でお店で食べる時はきりたんぽが多いと思うのですが、家庭ではだまこが多いと思います。
多鶴子さん: 比内地鶏はのある商店から仕入れていて、野菜もある時はセリや能代の長ネギなど秋田が名産のお野菜を使ったり、ひとつひとつにこだわりがあるだまこもち鍋をお出ししています。
Ryu: とっても美味しそうですね!冬場はtsuuさんでは秋田料理にも注目ですね。ぜひ食べたい方はどうすれば食べられますか。
多鶴子さん: 11月から2名様以上からご予約承っています。
Ryu: お客様はどんな方多くいらっしゃいますか。ご家族、ご友人、カップル、観光の方。
多鶴子さん: ご家族、地元の方が多いですね、観光の方もいらっしゃいます。
祐二さん: 一本外れた場所にあるので、観光の方も見つけてお越し下さいます。
多鶴子さん: 毎日来て下さる方もいらっしゃるのですが、飽きたから他の食べてみたいとおっしゃって。笑
Ryu: tsuuさんに来てご飯を食べていたら健康ですよね!喫茶店より、お食事に来られる方が多いですか。
多鶴子さん: そうですね、お野菜を沢山使っておりますし、健康になります。
15時から喫茶になるので、珈琲とケーキでお話をしたりしに来られる方も多いです。
Ryu: なるほど。女性が一人で来られることもありますでしょうか。
多鶴子さん: 一人で来られる女性の方は多いです。本を読まれる方や、カウンターに必ず座る方もいらっしゃいます。
祐二さん: 小町通りから外れた場所にあるので、ゆっくりされたい方がいらっしゃいます。
多鶴子さん: 表から見えないので、入るまでが勇気がいるかもしれませんが、入った方はあぁこんなところだったんだぁとリピートして下さることが多いです。最近は女性が一人のお客様が多くなりました。
Ryu: なるほど。女性一人でも入ったら長居しちゃいますね笑
また個展を開かれたり、ジャズライブがあったりとアートとのコラボレーションが多いですね。どんな感じで進められ開催されていますか。
多鶴子さん: 前回は90歳のお婆さまが水墨画の展示会をやりました。最終日の撤去の際、お孫さんが優しいピアノを演奏してくださいました。展示もしていますし、ジャズライブも行っています。
祐二さん: 前回ジャズライブではクレオールジャズライブでグアドループのkaという楽器でセッションしました。
Ryu: 珍しい楽器ですね、その音色も聴けちゃうなんて。リズムとか難しそうですね。
祐二さん: 7つのリズムがあってそのひとつを当てはめたリズムです。ライブで聴けると思います。
Ryu: 天井も高いですし、音の響きも良いですよね。
多鶴子さん: そうですね、音が柔らかいとミュージシャンの方には言って頂き、特に弦の方は響きが良いと言って下さって、ボーカリストもマイクレスで唱われることもあります。ピアノは愛しい音がすると。
Ryu: 何だか不思議なあたたかさがあるんですね。
多鶴子さん: そうなんです。あたたかさもあって個展を開かれるどんな方にも、ライブを行う方にもはまる不思議な空間です。
祐二さん: ライブの情報はお店の公式facebookの「鎌倉 百年の蔵〜カフェ&バー tsuu」に載せています。あとはお店に来て頂ければご案内できます。
Ryu: 多鶴子さん、祐二さんのような方がいらしたら安心ですね。
多鶴子さん: そうですね、わたしも安心です笑
Ryu: ここ、鎌倉からこれからお料理と音楽とともにどんなことを発信していかれたいですか。
多鶴子さん: 鎌倉らしさ、そしてこの蔵、歴史ある場所。このくらい立派な蔵はあまり無いと思うので、この蔵から文化、音楽であり、食であり、そういうものを常に発信していきたいです。
祐二さん: ライブ、展示会などは鎌倉の方が多いので、様々な地方や海外から観光で鎌倉へ来られる方へ、鎌倉のアートを見せて行きたいと思います。
Ryu: 最後に今、Woman in Jazzを読んでいる皆さんへメッセージをお願いいたします!
祐二さん: 一本外れた静かな場所なので、観光で疲れた時などゆっくり足を休めて頂ければ嬉しいです。
多鶴子さん: サイフォンで淹れた珈琲を、気のいい漆喰の壁に囲まれながらゆっくり癒してください。
Ryu: ありがとうございました!
いかがでしたか。第四回『Woman in Jazz』
今回は鎌倉にあるtsuuさんへお邪魔しました。
愛情のこもったお料理と、愛でたくなるようなジャズ、そして心のこもったおもてなし。
入った瞬間から好きになり、ゆっくりと落ち着く不思議な空間です。
思わずただいま!って言いたくなる優しいお店で心と身体を癒しに行ってみてはいかがでしょうか。
鎌倉 百年の蔵〜カフェ&バー tsuu 公式facebookページ